講演会

1. 講演会とは？

「講演会」とは、登壇者（講師）が体系立てた内容を中心に一方向で語り、最後にQ&Aなどで双方向性を加えるイベント形式です。セミナーよりも「講師の話を聴く」要素が強く、テーマ性・メッセージ性が重視されます。

2. 講演会の種類

2-1. 基調講演（キーノート）

カンファレンスや式典の冒頭で実施され、ビジョンや方向性を示す重要なセッション。

2-2. 記念講演

周年・受賞・就任・開所など節目行事に合わせて実施される講演。

2-3. 教育・啓発講演

学校・自治体・NPOが実施する人権・防災・キャリアなどの啓発目的の講演。

2-4. 企業向け講演

社員研修、安全大会、営業キックオフなどで実施される法人向け講演。

2-5. 公開講演 

一般市民に広く開かれた形式で、地域・文化振興を目的とするケースが多い。

2-6. オンライン講演

ウェビナーツールで配信し、録画アーカイブで二次利用も可能。

3. 講演会の企画の流れ

   
1. 目的設定：誰に何を届け、どんな変化を起こすか（KGI/KPIを明確化）。
   
2. テーマ設計：対象者の課題・興味と主催の意図を接続したタイトル・要旨を作成。
   
3. 講師選定・交渉：専門性、実績、発信力、スケジュール、講演料、権利条件を確認。
   
4. 会場／配信手配：収容人数、アクセス、音響・映像、同時通訳、バリアフリー等を考慮。
   
5. 集客計画：LP、申込フォーム、告知スケジュール、メディア・SNS・メール連携。
   
6. 制作物：ポスター、バナー、タイムテーブル、講師プロフィール、台本、進行表。
   
7. リハーサル：音響、投影、配信、照明、登壇導線、質疑導線などを総点検。
   
8. 当日運営：受付、撮影・配信、進行、タイムキープ、Q&A、緊急対応体制。
   
9. アフターフォロー：アンケート、サンクスメール、資料／アーカイブ配布、リード活用。

4. 集客のポイント

   
• 刺さるタイトル：「〜が今日からできる」「最新事例で学ぶ」など、具体的ベネフィットを提示。
   
• 信頼の証拠：講師の実績、共催／後援、過去開催の声・写真を掲載。
   
• 申込導線の単純化：FVに日時・会場／配信・対象・参加費・CTAを集約。
   
• リマインド設計：前週／前日／当日朝のメール、カレンダー招待、SMS（必要時）。
   
• 拡散ネットワーク：講師SNS、パートナー、業界メディア、イベントカレンダー掲載を活用。
   
• 早割／団体割：意思決定を前倒しさせる価格インセンティブ。

5. 成功のポイント

   
• ストーリー構成：課題提示 → 事例・データ → 解決の示唆 → 行動提案。
   
• 可視化：スライドは1枚1メッセージ、図解・写真・短尺動画で理解を補助。
   
• 相互作用：投票、チャット質問、事前質問募集などで参加感を演出。
   
• 時間管理：講演：Q&A＝8:2〜7:3を目安に構成。終演厳守で満足度を担保。
   
• 著作権／肖像権：撮影可否、資料配布範囲、二次利用権限を事前合意。

6. 講師アサインのチェックリスト

   
• テーマ親和性・最新知見のアップデート頻度。
   
• 対象者に近い会での登壇実績。
   
• 伝える力（声量・テンポ・スライド運用）。
   
• 露出協力（SNS告知・メディア対応の可否）。
   
• 契約条件（講演料、交通／宿泊、キャンセル、権利条件）。

7. 効果測定

   
• 申込数、参加率、離脱率（オンライン視聴完遂率）。
   
• 満足度（NPS、アンケート自由記述）。
   
• リード数、商談化率、資料DL数、SNSエンゲージメント。
   
• メディア露出、二次配信視聴数。
   
• 再演・シリーズ化の打診数。

8. リスク管理

   
• 代替講師／オンライン切替のBCP。
   
• 機材二重化（マイク・ケーブル・アダプタ・録画など）。
   
• 倫理・炎上対策（表現チェック、質疑のモデレーション基準）。
   
• 体調不良・交通遅延・災害時の判断基準と返金ポリシー。

9. よくある失敗と回避策

   
• 集客失速：ターゲット不一致 → ペルソナ見直し／媒体最適化／講師発信の活用。
   
• 当日トラブル：現地／配信の動線と役割分担を事前に図面化。
   
• 冗長な講話：台本、タイムキープ、要点スライドでテンポを維持。
   
• Q&A不発：事前質問募集＋モデレーターの起爆質問を準備。